日進月歩の「大田の工匠たち」

大田区の町工場で施盤工として現場で50年働き、一方で作家としても活躍される小関智弘さんが

先進技術立国、日本の飛躍を支える大田区の伝統を受け継ぎ
いまの技に挑む小さな工場の夢ある工匠たちの物語『どっこい大田の工匠たち』を出版されました。

大田区には、従業員3名以下という小さなものづくりの場に光をあてて、そこで働く卓越した技能者を”現代の名工”とし「大田の工匠100人」の名で、5年間で103名の工匠を表彰する制度があります。その内から15人の工匠のハイテクと最先端技術と呼ぶものではないのですが、ものづくりの最前線で生きる人たちの技に光をあて、本書で紹介しています。

当社とご縁のある、蒲田で江戸切子の伝統を守り抜かれている東亜硝子工芸の鍋谷馨さん、聰さん親子も生き生きと描かれており、とても誇りに感じています。

「大田の工匠100人」は、まさに”日進月歩”の匠集団で、世界の先進技能を支えているのだと強く感じています。一読をおすすめします。

【参考文献】
小関智弘『どっこい大田の工匠たち』 現代書館

“蒲田チーム”の団体戦

2001年、有機合成の研究でノーベル化学賞を受賞された野依良治先生は
《頭脳・大循環時代》と称したインタビューの中で

『科学はガラパゴス化を脱して、多文化を融合させ、知の団体戦に挑め』

と、語っておられました。ガラパゴス化とは、世界の潮流から取り残され独自の進化を歩むことですが、今や科学技術の発展には個人戦ではなく団体戦が必要で、多様な価値観や文化を融合させて新しい革新(イノベーション)が必要だと説かれています。

私たちの 蒲田地域は、技術と知恵が集積した団体戦の世界です。お互いの利点や違いを知りながら共通の価値観をつないできた先進的な地域で、規模を誇るのではなく、国家の利益を乗り越え、友人、仲間として多層的な人間関係を築きながら荒波に耐えてきた強さがあると思います。

我が社も誇りある蒲田の団体戦の一員として

“一人の一歩より百人の一歩”

を大切にしてまいります。