生活支援ロボットのコンテストが2020年9月に茨城県つくば市で開催されます。
一人暮らしの家を想定した住宅などで、例えば半身不随の人が車いすを使わずにロボットを操って健常者と変わらぬ生活が出来るよう技術を競うコンテストです。
コンテストには10の課題が設定してあり、下肢まひと人がロボットを使ってベットからトイレに移動し、用を足してベットに戻ったり、入浴の準備や入浴、身支度、食事や洗濯、掃除、荷物の受け取りや買物、バスの乗り降りなどの課題をロボットを使って操作するというコンテストです。高齢社会を迎え障がい者や高齢者にとっても嬉しい挑戦です。
ドラえもんのタケコプターがドローンの登場で空想から実現したように、生活支援ロボットの事業化に多くの民間企業が最新の科学技術で挑戦して欲しいものです。
産業ロボットに取り組む我が社にとっても新時代の課題であることも間違いありません。
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「未来技術遺産」の日進月歩
今年も12回目の「未来技術遺産」で26件の重要科学技術史資料が登録されました。
科学技術の歴史で大きな意義のある納得の商品が選ばれています。1959年に登場した一眼レフカメラ「ニコンF」は、プロ用機として15年以上にわたり君臨した国産カメラの評価を世界に高めました。1983年に発売されたカシオの腕時計「Gショック」は、電子部品への衝撃を和らげる特殊な構造で耐衝撃性を高めアウトドアやスポーツでの使用を身近にし、洗練されたデザイン性も高く、若者に人気の商品として広く普及しました。その他にもソニーが世界で初めて開発したCDプレーヤー「D-50」も登録され、「CDウオークマン」の原型となった商品で、ジョブズがiphone開発のヒントとなった技術です。
科学技術の世界は「日進月歩」ですが、わが社も創業50周年を迎えます。ミニ社史ですが“わが社の技術遺産”もまとめて、未来へ挑戦してまいります。
生命の起源を探る「ウロボロスの蛇」
我が社の飛騨工場のある飛騨市には東大宇宙線研究所があり、16万光年も離れた星雲から降り注ぐニュートリノの研究で宇宙が何でできているかを調べています。JAXAの「はやぶさ2」は地球から約3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」から太古の水成分を発見し、生命に欠かせない水の起源の解明により小惑星が地球に衝突し、水や有機物がもたらされたという研究を進めています。
一方、地球の深海では生命の誕生は熱水噴出孔で生まれた可能性があるとして、熱水噴出孔が作るエネルギー源の発電を究明し、生体が生まれた道筋が見えてきたと発表しています。約40億年前に地球で生命はどのように誕生したのか、宇宙と地球の研究で決着がつくかもしれません。この二つの研究は古代エジプトのツタンカーメン王の墓に描かれた蛇が口で自分の尾を飲み込む「ウロボロスの蛇」の無限、永遠、不滅の象徴の理論を思い出させてくれます。生命誕生のロマンですね。
社会のインフラになるAI(人工知能)
高齢化が進み20年後には100歳以上の人口は30万人になり、人口は2058年には1億人を下回り2100年には7500万人になると推計されています。加えて労働人口の減少も大きな社会問題となり、その対応が急がれています。
人手不足は様々な職業、職場に影響を与えていますが、AIの活用が急速に進んでいます。
自動運転の電車や車の普及、工場の機械が自ら通信し必要な部品を手配したり、生産計画や需要を予測したりする「スマートファクトリー」が誕生します。ホテルやビルメンテナンスではAIを搭載したお掃除ロボが活躍しています。行政の窓口では通信アプリ・LINEを使用して市民の問い合わせの回答にAIを活用した、対話型案内サービスの実験が始まっています。
高齢社会の課題解決をする「お片付けAIロボ」が誕生したり、福祉や介護の世界にも人工知能が活躍し社会インフラの一翼を担うソーシャルシステムが実現しています。
「AI」と「EI」の進歩
人工知能・AI (Artificial Intelligence)は、様々のものに組み込まれ科学技術の発展に新しい革命をもたらしていますが、一方で人工知能が人間を凌駕するのではないかという不安があることもたしかです。
急速な「AI」の普及のなかで、感情的知性と表現される「EI」(Emotional Intelligence)が話題となっています。EIを簡単に言えば“感性”です。
AIは総てを記憶させプログラムされた知能ですが、人工知能に人間と同じ感情で笑わせることはとても難しいそうです。AIのスピード、利便性は大きな利点ですがEIの根源は、一人ひとりが持つ “好奇心”や “尊重の精神”、 “共感力”などの意思をベースに創り上げる社会的存在価値です。
「AI」の進歩は「EI」の発想が源であり人間の“感性”を大切にした科学技術の進歩であるべきだと考えています。
人と一緒に働くロボットたち
Iot社会の実現が急速に広がっています。
便利さだけではない、社会環境の変化に対応したロボットたちの働きが頼もしい限りです。
■障がい者や外出困難者の社会進出を支援するロボットでは遠隔操作で接客ができる“分身ロボット”が活躍しています。
■薬剤師の代わりに薬の処方箋データを入力すると棚から薬を選んだり、複数の薬を一つの袋にまとめ正確に処方してくれます。
■未来レストランでは、料理ロボットが炒めて、揚げて、運ぶ手際よさで人手不足や衛生面でも最近のバイトテロの防止にも、こうした自動化は必要かもしれません。
■農業や林業分野では“獣害対策ロボット”が活躍しています。イノシシやシカを自動ロボが追い払ったり、捕獲状況を監視したりと広がっています。
労働人口の減少や後継者不足に悩む現場でIotやAI化は進みますが、人とコミュニケーションのできるロボットが求められています。
多機能化する自販機
どこにでもある便利な自販機ですが設置場所が飽和状態で、年率1%前後の台数減が続いているそうです。
17年度の普及台数は489万2000台、18年度は484万台となっています。自販機の大多数を占めるのは清涼飲料ですが、ちょっと変わり種のアイデア自販機が広がっています。
焼きたてのピザやクレープ、だしスープ缶。
奈良県大和郡山市には生きている金魚を売る自販機も登場。他にも金貨や銀貨が買える自販機、巨大な買い物では車を売る自販機ビル。ミネソタ州では雪合戦の「雪玉」を売る自販機もあるそうですから、?という感じです。戸外に設置された自販機を外国人は金庫が外に置いてあると思ったとか。そんな自販機に防犯カメラが内蔵されたり、災害時に無料になったり傘の無料貸し出しで地域貢献をする「レンタルアンブレラ」あり、Lot社会とともにますます自販機の多機能化が進みそうです。
IOT時代がやってくる!「熱中症予防シャツ」
地球温暖化のせいでしょうか今年の異常気象にとまどいます。豪雨、突風、落雷、高潮、集中する台風の襲来、なかでも各地で40度を超える気温が連続し「熱中症」被害が広がり、その対策が急がれています。
今、NTTとアシックスが熱中症を予防するセンサー付きのシャツを開発しています。
着ると服の中の温度などをスマートフォンが把握し熱中症の危険度を確認し予防するというシステムです。
屋外で長時間仕事をする人やスポーツをする人、屋内でも熱中症になりやすい病院や介護施設、熱中症になりやすい高齢者への利用を想定しているとのことですので頼もしい味方です。
国も東京オリンピックに向けて“暑さ対策”をハード&ソフトを含め考えていますが、いよいよIOT(物とインターネットの繋がり)によるデジタル社会の実現が加速されそうです。「サマータイム」も始まるのでしょうか―。
食料品加工の新しい働き手!
人口減による人手不足は、産業界にとって深刻な要因ですが、単純労働をロボットに任せ限られた人手を付加価値の高い仕事に回そうと、自動化の技術進化が始まっています。
産業用ロボットの出荷先は、半導体などの電気機械が40%、自動車が30%を占めますが食品加工分野にも広がっています。この分野はまだ2%程ですが、わが社でも進出しています。産業ロボットは、技術進化と人手不足が普及の後押しをしてくれています。
すでに稼働しているジャガイモの有毒な芽を取り除くロボットは、1個あたりの作業時間は2秒でフライドポテトやサラダなどの加工現場で活用されています。
北海道では水産加工場でホタテの殻をロボットでこじ開け貝柱を切り取る作業では、1分あたり90杯で手慣れた従業員11人分の働きですから、高齢化や人手不足の現場ではなくてはならない新時代の“従業員”の役割を担っています。
家電の世紀から「IoT」「AI」
1920年代(大正4年)に二股ソケットや電気アイロン、扇風機が登場して日本の家電元年が始まり、50年には白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の「三種の神器」の普及が始まりました。
60年には電子レンジ、カラーテレビへと家庭の電化製品が豊かな暮らしを演出します。
1970年(昭和45年)、わが社が創業し技術革新の波に乗り日本経済の成長を支えていくことになりました。家電100年の進化のなかで、2000年代に「新、三種の神器」、デジタルカメラ、DVDレコーダー、薄型テレビが登場し生活スタイルの多様化に家電も対応してきましたが、2017年代に入り総合家電メーカーは一社になってしまいました。その家電メーカーも自動車部品の製造など家電以外の比率を高めています。家電というジャンルから新たな、あらゆるものをネットにつなぐ「IoT」「AI」の技術を駆使した進化をみせています。2020年、創業半世紀を迎えるわが社は未来を支える新技術で応援してまいります。
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