未来のノーベル賞を目指す「科学甲子園」

創業者・渡辺の出身地は岐阜県飛騨市ですが富山市から飛騨市、高山市の昔のサバ街道は今”ノーベル街道”と呼ばれています。

日本のノーベル賞受賞者28名の内、5名が富山から飛騨での化学・物理学・生物学・医学の研究領域での受賞者だからです。我が社の飛騨工場もこんな環境での精密機器の製造に取り組んでいますが、国の基礎研究の環境が減少し科学技術の未来が心配されています。

科学振興機構(JST)では2011年から”科学の甲子園”と称して高校生たちの科学に夢中する大会が開かれています。

今年で12回目を迎へた科学の甲子園は全国から668校、7870人が参加して、女子校も参加し理科、数学、情報の応用問題を解く筆記実技と実験や観察を行う実技試験に挑みました。国や企業が科学技術の視野を広げて基礎研究に取り組むことが豊かな暮らしへのスタートだと思っています。女性のノーベル賞受賞者は全体の5%で、日本は残念ながらゼロです。

“担い手不足”を救う科学技術

急速に進む少子高齢化社会で”人口減”が企業にとって大きな課題となっています。

世界が経験したことのないコロナ禍を機に、新しい社会のインフラの維持修繕、更新、多様化する災害への対応、ITと縁遠いイメージだった食品や運輸、流通やサービス業、高齢化社会に対応した介護や医療の”担い手”不足が深刻になっています。

製造業も担い手不足は同じで、労働生産性を自動化するためにロボットの活用が必要となっています。人間の横でAIロボットが一緒に実験したり、”きつい、汚い、危険”の3K現場で人間に変って働くロボットの活用が広がっています。

これからの人材は、付加価値の高い仕事に専念し技術力を高めることが求められます。

“人口減”を救う担い手としてロボットの領域は無限です。我が社もIT、AIを活用した創造性の高い技術力に挑戦しています。

科学技術の未来を”見える化”する万博

1970年、岡本太郎の太陽の塔に象徴された大阪万博が55年後の2025年4月に大阪で開催されます。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、社会課題を解決するような新しい技術やサービスを実用化し”そこにしかない”未来技術を先取りしてくれるそうです。

先の万博で人気の「人間洗濯機」は、自動でお湯を張り超音波で体を洗うお風呂がまだ銭湯通いの時代でしたが今や日常です。今度の万博の「未来人間洗濯機」は浴槽に座わるとセンサーが自脈動をとりストレスの度合いを測り、ストレスを和らげるための水流に揺らぎをつけたり、映像や音を流し体を洗うだけでなく”心を洗う”がテーマです。

目玉は「空飛ぶ車」で、人を乗せて不便な山間地や都市部の渋滞を自由に飛び、災害時の緊急輸送など夢の空飛ぶ車です。科学は常に日進月歩ですがマンガが一歩先に科学技術の見える化を描き、万博がその実現化を更に近づけてくれそうです。

ヒトとロボットの協働社会へ。

1952年(昭和27)、手塚治虫のマンガ「鉄腕アトム」が始まってロボットが活躍する未来に夢を描きましたが、今やITやAIでロボットと人間は日常となってきました。
・少子高齢社会の進行で労働人口不足や無駄な作業工程を減らすロボットの活躍。
・介護や医療・福祉、サービス産業など暮らしを創造するロボット技術の発達。
・災害地や被災地で活躍するロボット。
・外出困難な人達のために遠隔操作で在宅就労を支援する分身ロボット。
・教育分野でも生徒との対話やコミュニケーション学習、個別支援学級等で働く。
・宇宙探査を支えるロボット達はその多くの技術は街工場の技術者が担っていますが、今やロボットと人間の協働は広がっています。

わが社も産業ロボットの一翼を担う企業ですが、鉄腕アトムの未来を実践する技術を研きながら次世代の科学技術に挑戦しています。
ご相談ください!

AIと共生する技術者へ。

精密機器の製造もAIの進化とともに産業構造も変化しています。

AIは実験を積み上げ人が思いもつかない結果を引き出しアイデアを提案してくれます。これまで、研究・開発は科学技術者の大きな分野を占めていましたがこれからは人間とAIが一緒になって実験をすることになり、科学技術者は新しい創造的な仕事に取り組む時間をつくることができ研究・開発は新しい体制が主流となりそうです。

これまでの研究や実験が一筋ではなく、世界情勢や経済、市場変化や文化など広い視野を大切にした技術者が必要となります。

精密部品の多くを支える蒲田の製作所も熟練技術者の高齢化に悩む産業地ですが、こうしたIT、AIの進化と共生する若い世代の参加が出来る企業としてスタートアップできると期待しています。時代の変化を成長のチャンスに結びつけてまいります。

「ノー」と言わない下町気質で。

「どんな機械でも作れないものはない」“頼まれたら何でも断らずにやってみせる”のがわが社の信条ですが、蒲田の多くの中小企業がこうした理念の基に結束し、世界的な精密部品を作る日本のシリコンバレーです。
ドラマ「下町ロケット」のモデルで注目され今、宇宙開発で活躍する探査機の技術の多くが蒲田の町工場が担っています。
小惑星探査機「はやぶさ」や水星探査機「みお」、火星探査機「フォボス」などの宇宙機器部品を蒲田の職人が支えています。
難しい仕事も「ノー」と言わずにチャレンジするのが蒲田の下町気質です。こうした宇宙開発技術の広がりが医療機器や新しい産業機器メーカーにも進出しています。AI技術も加わり科学技術の世界も新時代を迎えています。わが社も次の60年に向って新しい道を拓いています。何でもご相談ください。

宇宙創生の日進月歩を観る

当社創業者、渡辺は岐阜県飛騨市出身ですが、飛騨市には奈良時代から採掘されてきた東洋一の広大な鉱山跡地を活用した東京大学宇宙線研究所があり、当社の飛騨工場もあります。
この鉱山跡地を活用して1,980年代から小柴昌俊博士が陽子崩壊の観測を始め初代カミオカンデが誕生し、1996年代から2代目スーパーカミオカンデでニュートリノの観測施設としてスタートし、2002年には小柴博士がノーベル物理学賞を受賞し2015年には梶田隆章博士が小柴博士に続いてニュートリノ素粒子の研究でノーベル物理学賞を受賞されました。
そして現在、3代目のハイパーカミオカンデが昨年着工し2027年の完成を目指しています。宇宙から飛来する素粒子ニュートリノが地下深い水槽を通り抜ける際に放つ微弱な光を捉え宇宙の成り立ちの解明を目指す研究を世界19カ国約450人からなる研究グループによって始まっています。科学の日進月歩を身近に感じながら我社も新しい時代に挑戦です。

宇宙から始まる農漁業の未来!

農漁業者の高齢化や後継者不足、放棄農地の拡大、国際的な漁業規制などで農漁業のIT化が進んでいます。
農業では個人から法人化や作物の工場化、農機のIT自動化で無人トラクターが畑を耕し、種まきや肥料の散布、作物の成熟度をチェックしたり、生育状況の情報を管理し刈り取りの順番を決めて収穫したりと衛星を活用した未来農業の試験が始まっています。
海洋漁業でも宇宙衛星を活用し、海面の観測データからプランクトンが豊富な海や海水温を赤外線で観測したりして、海面近くにいるサンマやカツオ、イワシ、アジなどの漁場を探したり、魚の群れを宇宙衛星から探して漁船に伝えたりする研究開発が進んでいます。
漁業情報サービスセンターでは、水深数百メートルを泳ぐメバチマグロやアカイカがいる場所を漁船に知らせるサービスを始めたそうです。農漁業の近代化は宇宙衛星の活用から始まっています。

身近になった“消毒ロボ”で感じること

コロナ禍の拡大で異例の早さでワクチンが導入され益々医科学技術への期待が多岐にわたって広がっています。
私たちの身近なところでは、“新型ウイルス撃退ロボット”が大活躍で様々な広がりをみせています。空港やホテル、劇場や競技場、博物館や学校、百貨店から居酒屋まで様々な施設に今やこの消毒ゲートを通らなければ入れないのと入って思わぬ所にウイルス撃退ロボットが導入されていることに驚きます。
触らない形式を目指して扉の開閉や室内の点灯、トイレの洗浄は全自動に、競技場では入場時は顔認証や電子チケット、選手控室やロッカールーム、練習会場での消毒はオリンピックを前に実験が始まっています。
すでに体温測定や消毒はロボットの前に立ち手を出すだけで音声判定が日常となっているのを体験すると科学の日進月歩を感じます。
感染症という医療の一翼を“技術”で私たちが支えていると思うと身が締る思いです。

2億年先を目指す科学者たち

経験したことのないコロナ感染の時間で科学はどんな新しい発明や発見、技術を創出してくれるのでしょうか、科学の発展には常に“新しい発想”の視点があるものです。
生物進化の専門家たちが2億年後の進化を予想し“巨大なダイオウイカが像のような怪物となって陸上に進出する”と発表しています。
陸上で暮らすすべての動物が海生生物の子孫だということからの発想です。日本でもイカが三角部分のひれと腕と腕の間の膜を翼のように広げて水をジェットエンジンのように噴射しながら30メートル程飛行することが観察されており、やがて鳥のように空を飛ぶように進化するのではと想像しています。
イギリスの原子核物理などの発展に功績を残したラザフォードはウランとトリウムが放射線を出しながら別の元素に変換が可能であると説き新しい錬金術だと発表しています。私たちも、困難な時代の中で常に新しい視点で技術革新に全集中してまいります。