どないかします

鷲田清一さんが執筆される「折々のことば」(朝日新聞)に、東大阪の工場主の言葉として「どないかします」が紹介されました。

「町工場のまち、東大阪でよく聞かれることば。部品のみならず、遊びのコマから人工衛星までつくってきた。どう考えても無理、採算も合わん、けどこの人の必死の思いをかなえてやりたい…と、この一言でどんな難しい注文も請け負う。(略)」-とても愛情にあふれた文章が綴られています。

町工場の蒲田も同じ思いで、求められる技術や仕事に対する姿勢は西も東もないと感じました。関西では「どないかします」、関東では「なんとかします」となりますが、なぜか言葉の持つ響きの違いに驚きます。鷲田さんは「人の求めに応える喜びと、無理に挑む楽しさとがあってはじめて口にできるせりふだろう」と書かれています。「どないか」と「なんとか」、二つの言葉の響きと温もりの違いを感じるのは私だけでしょうか。